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【小児矯正症例】7歳 男の子「永久歯が生えるスペース不足・下の前歯の重なり」上下顎の拡大装置および前歯の部分ワイヤー矯正

項目 内容
治療内容 上下顎の拡大装置によるスペース確保
前歯の部分ワイヤー矯正
年齢 7歳5ヶ月
性別 男の子
期間 3年5ヶ月
費用(税込) 治療回数:29回
Ⅰ期治療のみで終了
診査・診断 25,000税別
矯正1期 300,000税別
処置料 5,500円/回(※治療回数:約29回)
リスク・副作用 ・装置の装着による一時的な話しづらさや痛み、違和感が生じることがあります。

・治療中は器具の周りに汚れが溜まりやすくなるため、丁寧なブラッシングを行わないとむし歯や歯ぐきの炎症を引き起こすリスクが高まります。

1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)

7歳の男の子の患者さんです。「上の前歯の2番目の歯が生えるスペースが不足していること、下の前歯がガタガタしていること」を主訴にご来院されました。保護者の方は、これから生えてくる永久歯がきれいに並ぶかどうかを心配されており、早期の段階で歯並びのガタガタを改善させたいというご希望を持たれていました。適切な歯並びや噛み合わせを目指し、矯正治療を開始することとなりました。

 

2. ご来院時の状態と診断

初診時のお口の中を拝見したところ、上の前歯において2番目の永久歯が生えてくるための十分なスペースが不足している状態でした。また、下の前歯にも重なり合うようなガタガタとした歯並びが認められました。

精密検査および診査・診断を行った結果、永久歯が並ぶための顎の骨の横幅が足りていないことによる「前歯部叢生(ぜんしぶそうせい)」と診断いたしました。

【コラム】前歯部叢生(ぜんしぶそうせい)とは

顎の骨の大きさと歯の大きさのバランスが崩れることで、前歯の並びがガタガタになったり、重なり合って生えたりしている状態のことです。

 

3. 治療の流れ

①装置の装着と拡大スタート

上顎には「急速拡大装置」、下顎には「バイヘリックス」という固定式の装置を装着しました。
最初はご自宅でネジを回して顎を広げていく作業を行っていただきました。装着初期は締め付けられるような違和感や喋りにくさがありましたが、患者さんはすぐに慣れ、毎日の拡大を頑張ってくれました。

②拡大終了と1番目の前歯の調整

十分なスペースが確保できたところで拡大治療は終了しました。その後、「クワドヘリックス」という固定式の装置を装着し、上の前歯を少し前方に移動させる調整を行いました。これにより、後ろに控えている2番目の歯がスムーズに生えてくるための空間をさらに確保していきました。

③2番目の前歯の生え変わり

顎の幅が広がったことで、スペースが不足していた上の2番目の歯が生えてきました。長期間スペースが不足していた影響で、生え始めは少しねじれた状態でしたが、想定していた経過でした。

④ワイヤー装置による前歯の仕上げ

ねじれて生えてきた上の2番目の歯と、他の前歯のガタガタをピンポイントできれいに並べるため、前歯部分にのみブラケットとワイヤーを装着する部分矯正を行いました。
細かな噛み合わせと見た目の美しさを調整し、歯が整列したところで治療終了となりました。


【コラム】急速拡大装置とは

上顎の幅を広げるために使用する固定式の矯正装置です。ご自宅で装置のネジを回していただくことで、顎の骨を少しずつ広げて永久歯が生えるためのスペースを作ります。

【コラム】バイヘリックスとは

下顎の幅を広げるために使用する固定式の矯正装置です。ワイヤーの弾力を利用して、内側から外側へ向かって歯列を押し広げ、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保します。

【コラム】クワドヘリックスとは

クワドヘリックスとは、上顎の歯列を広げたり、歯の向きや位置を調整したりするために使用する固定式の矯正装置です。ワイヤーの弾力を利用して持続的に力を加え、永久歯が適切に並ぶためのスペースを確保したり、歯並びを整えたりすることを目的として使用します。

 

4. 治療のポイント

今回の治療のポイントは、子どもの顎が成長する時期を活かし、固定式の拡大装置を用いて永久歯が並ぶための十分なスペースを早い段階で確保したことです。

小児矯正は、大人の矯正のように歯を無理に動かして並べることが目的ではなく、成長途中の顎の発育をコントロールしながら、永久歯が適切な位置へ生えやすい環境を整えることが大きな特徴です。成長期には顎の成長を利用した治療を行える場合があり、将来的な歯並びや噛み合わせの改善につながる可能性があります。

今回の症例では、長期間スペースが不足していた上の2番目の歯は、少しねじれた状態で生えてきました。しかし、あらかじめ十分なスペースを確保できていたため、前歯部のみにワイヤー装置を使用することで、無理なくスムーズに歯並びを整えることができました。

また、患者さんとご家族がご自宅でのネジ回しなどの管理を毎日継続してくださったことも、計画どおりに治療を進められた大きな要因となりました。小児矯正は、歯医者での治療だけでなく、ご家庭での継続的な協力は、計画的に治療を進めるうえで大切なポイントです。

 

5. 治療後・予後



合計29回の通院を経て、上下の前歯の歯並びが整い、噛み合わせの改善が認められました。

3年5カ月の治療期間を終え、お悩みであったガタガタやスペース不足の改善が認められたため、今回のⅠ期治療をもって矯正治療を終了といたしました。今後は、並んだ歯並びが元に戻らないように保ちながら、残りの永久歯への生え変わりを定期検診にて見守っていく予定です。

当院では、子どもの成長発育の力を活かし、将来の良好なお口の環境づくりを目指す小児矯正に力を入れています。 子どもの歯並びや生え変わりについて少しでも気になることやお悩みがある方は、向日市の歯医者 もりした歯科医院へご相談ください。

 

監修

もりした歯科医院 院長 森下 徹(もりした とおる)


【経歴】

平成 8年 洛星中学校 卒業
平成11年 洛星高等学校 卒業
平成17年 国立大阪大学歯学部 卒業(歯科医師免許取得)
平成17年 医療法人 翔己会 かい歯科 勤務
平成21年 同法人 南茨木プラザ歯科 医長 就任
平成24年 もりした歯科医院 開業

【所属学会・スタディーグループ】

・明石矯正研修会
・GPO(General Practice Orthodontics)
・顎顔面矯正治療研究会
・日本口腔インプラント学会

【修了セミナー】

・明石矯正研修会 レギュラーコース
・明石矯正研修会 アドバンスコース
・GPO矯正コース
・顎顔面矯正治療コース
・3iインプラントコース
・補綴(セラミック)における支台歯形成コース
・FAPホワイトニングセミナー

【専門分野】

・一般歯科
・小児歯科
・矯正歯科
・インプラント治療
・補綴治療(セラミック)
・予防歯科